表紙にあるハーモニカをふくこぐまの表情に惹かれて手に取りました。かわいらしい挿絵なので、ストーリーもかわいいものを想像したのですが、思っていたものとは違う、深く考えさせられる絵本でした。
こぐまのジェームズくんのおとうさんは、ハーモニカのプロ演奏家。ジェームズ
くんも憧れてハーモニカをはじめ、とても上手にふけるようになりました。周りの大人たちが「おとなになったら、おとうさんみたいに、なれるかもしれないぞ」と褒めてくれるのが、だんだんと重荷になってしまいます。
ジェームズくんの気持ちに気付いたおとうさんとおかあさんは、それぞれ素敵なアドバイスでジェームズくんを導きます。おとうさんの「きみの、きみだけのうただ」とジェームズくんを励ますセリフには、思わずウルッとしてしまいました。
子どもは繊細で、大人の何気ない言葉に傷ついたり、悩んだりしてしまうのかもしれません。ジェームズくんのおとうさんやおかあさんのようになれたらなぁと思います。