戦争体験者の語りを絵本で紹介しているシリーズの第8巻です。
このシリーズの最後が戦後であってホッとしました。
戦争が終わり、復興の希望が描かれているからです。
第1話
「白いおにぎり」 藤崎康夫:文 / 倉石琢也:絵
戦後1年4カ月。捕虜としてフィリピンに留められていた兵士の帰国の話です。白いおにぎりがおいしかったことともに、戦時中の苦労話が語られます。そして生き残った者として、戦地で亡くなった友人の家族を慰問して歩いたことが書かれています。
戦争についての悲しさとともに、生き残ったことへの喜びが感じられます。
第2話
「ふっ活した百花園」 正岡慧子:文 / 山口みねやす:絵
東京大空襲で焼け野原になった墨田区の向島百花園の復興の話。
このシリーズではじめて、人ではなくいちょうが語っています。
百花園の復興のための苦労話が書かれていますが、戦争が終わったことの安堵感と復興への希望が満ち溢れています。
シリーズの最後にして、希望を見つけました。
やっぱり、この手の話は希望で終わらないといけないと思います。
その分他の巻に比べて重さが薄らいでいるようではあります。