2011年の米国の作品。
原題は、Even Monsters Need Haircuts。
「とうさんは とこやさん なんだ。
ぼく、とうさんが しごとするのを みてるのが だいすき。
ぼくも とこやさん だからね」
という書き出しで始まります。
ぼくもね…というところがポイント。
次頁は、
「こんやは まんげつだ。
はやく ねておかなくちゃ」
何故?と思いますよね。
真夜中にお迎えが来るからなのですが、そのお迎えがコウモリに変身したドラキュラ。
向かう先は、とうさんの仕事場すなわち床屋なのです。
要は、満月の真夜中に、ぼくが、モンスターの床屋さんになるという展開なのです。
ぼくは、思い思いの髪形にモンスターの髪を刈っていくのですが、そのシーンは一見の価値あり。
ゴーゴン(Gorgon)の時は目隠しし、フランケンシュタイン(Frankenstein)の時のバリカンの電源は、フランケンの首のコンセントからなんて、芸が細かくて思わず笑ってしました。
絵は実に綺麗な発色で、アメリカンテイスト溢れるもの。
練られたストーリー展開も、楽しめるものです。
主人公のぼくが、とうさんと同じ仕事をするという発想も、子供の共感を呼ぶことでしょう。
ただ、小物の名前をでろでろトニックとかくさくさワックス等に邦訳していますが、もう一寸ひねりが欲しいところ。
邦訳はなかなか、その雰囲気を伝えるのが難しいので、無理に邦訳せず英文のままでも良かった感じがします。
他の作品にも期待したい絵本作家の登場と言えそうです。