2012年の中学生夏休み推薦図書の1冊なので、今はよく書店や図書館で見かけます。
ボランティア仲間の息子さんが、すっごく真剣に読んでいた。と聞いて、早速うちの子にも用意してみました。
中1と高2の二人とも読んでくれたのですが、下の子の方は読み終えてから号泣。
「コナーが可哀そうだ〜。この本に出てくる大人たち(特に先生だそうです)は、なんでわかってあげなかったんだ〜」と怒り……、
「怪物はなんだったんだろう」「なんで12時7分にしか来なかったんだろう?」と、聞いてきました。
その答えをうっかり言ってしまったら、また号泣。
年の近い“コナー”を見ていて、身近な「親の死」というものをすごく間近に感じて、怖くなってしまったようでした。
この本を読んだその夜は、久しぶりに寝付くまで子どもの手を握ってあげました。
高2の上の子は「怪物の正体が気になって、一気に読んじゃたよ〜」といってました。
さて、この物語には二人の作者がいるそうです。
「原案(キャラクター・舞台・導入)」まで創作していたのにもかかわらず、はかなくも急逝したシヴォーン・ダウトさんの遺作を基に、
パトリックス・ネスさんが1つの作品に仕上げられたそうです。
物語の中で、「怪物」は主人公コナーに何を伝えようとしているのか、なぜ、「怪物」がコナーの前に現われたのか、
最後の最後まで引っ張って行かれます。
うちの下の子みたいに、感受性が強かったり、こわがりのお子さんには少し辛いお話かもしれませんが、
私は主人公コナーと、同世代の子どもたちにぜひ読んでもらいたいな〜と、思いました。
「身近な人の死」に関わらず、
成長して、大人になるにつれて、世の中の矛盾や憤り……、
その他、生きていく上で関わってくる呪縛のような“想いや関係性”と正面切って向き合って、対決(またはその壁を乗り越えるような試練)しなくてはいけない時が、いつかは必ずきます。
この物語の中で、主人公コナーは「怪物」に出会うことで、(すぐには無理でも)前に進む原動力を見つけました。
だから、これを読んだ人たちももし何かあった時、そのことを乗り越えていくきっかけを見つけることができるような気がしました。
好き嫌いは出る作品かもしれませんが、とても心に残るメッセージ性の強い作品です。
それほど長いお話ではないので、興味のある方はぜひ一度読んでみてください。
大人の方にもお薦めです。