この絵本は、福音館からでているランドセルブックスというシリーズの中の1冊だそうです。そのランドセルブックスは、「読み聞かせで育った子どもたちがひとりで無理なく読める本」をそろえ、物語だけではなく、生き物や乗り物、言葉についてなど幅広いテーマを扱うそうです。
そんな趣旨にぴったりの本でした。日本に住んでいると、あまりイスラム圏の話や習慣は、耳にしたり目にしたりすることがとても少ないと思います。そんな中で、日本と同じように昔話があり、これまたとんちやウィットの利いた話があることを知るのは、知識を広げ、心の財産になることでしょう。
個人的には、イスラム圏では神アッラーは絶対なる神であるというイメージが強いので、この絵本に出てくるようなとてもユーモアのある神様とのやりとりとかがとても新鮮でした。そして、佐々木マキさんのどことなく漫画チックな絵が異国の話でも、すっと入っていける親近感をもたらしてくれていると思いました。特に、トルコの女性の普段着(もんぺ姿)を描ききっているのが、さすがの佐々木マキさんだなと思いました。
すらっと読める本なのでお薦めです。