だいぶ前からタイトルに惹かれて気になっていた作品ですが、やっと読みました。
8つのおはなしのタイトルは
『雲深き山をこえて』
『燃えろ、燃えろ、かげぼうし』
『メリュシーナ』
『バスケットいっぱいの水』
『リコリスの木』
『怒りの山』
『冬の夜にさまよう』
『落ちていく世界をつかまえろ』
この人の作品はどれもちょっと昔話のエッセンスが入っていて、読みやすく、読むと心に残る内容が多かったです。
この短編集の中で、個人的に特に気に入ったのは
『メリュシーナ』で、まさに西洋によくある昔話に似ていました。
ある美しい女の子が、呪いのせいで週に1度へびに変身してしまうけれど、王子さまと出会って恋に落ち幸せな結婚をする。という話。
結局最後までメリュシーナの呪いは解けないんですが、
この時の王子様のセリフがよかったです。
「気にしないって!だれだってみんな、ちょっとばかりおかしなところがあるじゃないか。……」
このセリフ、すごく納得しました。この王子はとても人間のできた人です。
小学校の高学年くらいから、中学生くらいの子さんたちにいかがでしょうか?
短編集で、1話1話がそれほど長くないので、とても読みやすいです。
出版社からのお薦め年齢は小学校低学年から大人までになっています。