まるで、映画を見ているかのような作品です。
そのキャスティングがまた、秀逸なのです。
水陸両用の能力を余すところなく発揮したホスピタリティに、思わず拍手を送りたくなるペンギンたち。
水面から「ザバーン!!」と顔を出したこの巨大な泊り客、どこに泊まるの!?
空から訪れたあの人は、ここで骨休めしてるのね…(一方で「乗り物」扱いの動物がいることに笑いを誘われたり)。
「次はどんな泊り客が?」と、大人も子供もわくわく楽しめます。
泊り客みんながその場を楽しんでいるのが、伝わってきます。
部屋のキーも印象的な赤色のカーテンも、調度品がホテルらしい高級感を演出していて、あの喜劇映画が得意な監督の作品を彷彿とさせます。
従業員としてのペンギンの生活も描かれているのが、この作品の完成度を上げていると思います。
子供と一緒に「どの部屋に泊まりたいか?」をその理由ととも話しながら、読み進めるのも、楽しい。
「この部屋は、隣がこの動物のお客さんだからうるさそう」
「この部屋からの眺めが一番、良さそう」とか。
私は支配人らしいペンギンが使っている部屋に泊まってみたいです。