読み進めていくうちに、あきの笑顔や不安そうな顔、そのどれもが、まだ幼い我が子に重なって見えてきました。
5歳の娘にひとり旅(ぬいぐるみと二人…かな?)をさせたことはもちろんまだないけれど、きっとこんな表情をしながら初めての景色や出来事に、わくわくしたりドキドキしたりするんだろうな…と、とても愛おしい気持ちになりました。
こんが電車に戻ってこなかったとき、砂丘で犬に連れ去られたとき、こっそり隣の娘の顔を見ると、本当にあきと同じ顔をしていました。
ようやくおばあちゃんに出会えてこんを直してもらい、あったかいお風呂にみんなで入った時、娘もほっとした表情でページを眺めていました。
あっというまに物語の世界に引き込まれ、こんとあきと一緒に旅をした娘の心には、きっと何か響くものがあったことでしょう。親の私は、今後、子育てが落ち着いた頃にこの絵本を開いたら、きっとあきのように様々なことを経験し、全力で成長していく娘を思い、二度と戻らない日々を懐かしく思い出すだろうな…と、タイムマシーンのような絵本になる予感がしました。