ブータン王国のあらましと人々の日常生活、小学生の様子などを現地で取材した写真絵本。
2007年発行。現在(2021年)はずいぶんアジアも様子が変わってきたが、この絵本では主に伝統的なブータンの暮らしや文化、産業などを紹介している。民族衣装が日本の着物に良く似ていて、米を作る様子や山林の風景も昔、実家で見ていたような風景にそっくりで驚く。チベット仏教が国教なので、家庭内に大きな仏間があったり、僧侶になる訓練を幼少期からしていたり、派手な仏教関係のお祭りがあったりするなど、日本とずいぶん違うことも多い。似ている部分と全然違う部分がいろいろに交じり合っていて、不思議な気分になる。
唐辛子が「野菜」扱いだったり、酪農製品をよく利用したり。海がない山の多い地域で、森林資源の活用を工夫したり、自然の恵みを保護しながら動植物と人間の共存を基本に生活したり、手間隙かけてゆっくり丁寧に暮している様子が素敵だった。
子どもの教育や卒業後の進路、若い人の就労など、もっと知りたいことも多かった。意外と、日本との関わりもあり、農業支援でブータンに貢献した中尾氏と西岡氏のことも知った。経済発展よりも「みんなの幸福」(GNH)を優先する国で、いろいろな問題もまだあるが、今後の展開が楽しみだ。
ぜひ行って見たい。