きれいでかわいらしい絵に惹かれて手に取った絵本。
ページをめくって1ページ目の言葉にズキュンと胸を打たれ、これは大人のための絵本だと思いました。とげのなかった幼い日の自分を思い出し、成長するにつれてとげの鎧をまとった自分がサボテンに重なり、チリチリとした淡い痛みとともに、でもなつかしく過去を思い出しました。
かわいい絵とわかりやすくきれいな言葉のおかげか、娘のお気に入りの絵本となり、何度も何度も読みました。何度も何度も読むうちに、私が娘にとっての「ぼく」なんだと気づきました。いつだって、何があったって、私は娘の味方で、ときには見守り、ときには雨を降らし、そばにいる。
これから娘が成長していく上で、いろいろ辛いこともあるかもしれない。とげをまとっていくのかもしれない。
でも、「何があっても私はあなたの味方だよ」。
娘にはまだ難しいかもしれないけれど、これからずっと読んでいくうちに、いつかそれが伝わればいいな。