二男がゲームの影響で、農業関係の仕事に就きたいようなことを言っているので、たまたま手に取ったら、東日本大震災のお話でした。
被災地で飼われている、肉牛用の牛。
人間の都合で肉牛になるために育てられてきたのに、今度は放射能をあびたから出荷できない。また、人間の都合だ。
牛たちは、いったい何のためにここまで大きくなってきたのか。
主人公の「牛飼い」は実在の方らしく、自分自身も放射線量が高くて本来なら住めない場所なのに、自分は「牛飼い」だからと牛たちと一緒に暮らしている。
意味があるかないかなんてわからない。
ただ、目の前に牛たちがいるから、ほおっておけないのだ。
そう、ほおっておけない。
遠く離れた私たちも、この牛飼いのように、福島のことをほおっておいてはいけないと思った。