渡り鳥ローザが大好きな「ほっぺの花」は、原題では「永遠の花」。
春から秋まで咲いている花ってとても暗示的です。
その花のタネをバックにつめて飛び立とうとするローザは、空から墜ちてしまいます。
この地でしか育たない花なのでしょうか。
助けてくれた犬のミールと飼い主のアンナとの生活。
ローザが運んだタネの発芽と開花。
花が咲く季節に、ローザと仲間たちの再会。
淡々と描かれる出会と別れとめぐる季節が、見事に結実した絵本です。
何よりダノウスキの重厚で緻密で奥深い絵画のような絵が、この絵本をとても高尚なものにしていると思います。
淋しさの余韻が残る絵本ですが、永遠の中の断片だからですよね。