「てぶくろ」・・もうタイトルの響きだけで暖かい気持ちになってきます。
特に寒い冬の日に聞く「てぶくろ」の響きは、それだけで幸せな気分にしてくれますが、この絵本はそれを一層大きくしてくれました。
私も小さい頃、自分の手袋を忘れて、姉に片方だけ借りたことがあります。
その時は、無理やり片方の手袋に両手を入れようとしてたっけ・・・
この絵本を読んで、「あぁそうか!一緒に手をつなげば良かったんだ」と気付きました。
手をつなげばあったかい。そんな発想が自然と出てきたおねえちゃんは、とても素敵なおねえちゃんだなと思いました。
そして、その手と手のつながりが、おばあちゃんに広がり、友だちに広がり、世界中に広がったら、その手のぬくもりで、てぶくろはいらない・・・
読み進めるうちに、てぶくろが赤いハートに見えてきました。
人と人をつなぐ真っ赤なハート。
そして、みんなの素敵な笑顔。
心をつないだら、ぽっかぽかの笑顔になるんですね。
お話は勿論、いもとようこさんの優しく温かい絵柄が、一層温かい気持ちにさせてくれた素敵な絵本でした。