魅惑的な世界でした。
アリゾナ州の開拓地のどこかにあった小さな丘が「ロクサボクセン」。
当時そのあたりに住んでいた子どもたちの格好の遊び場でした。
子どもたちの想像力を駆使し、そこにあるものだけを使って自分たちの町を作っていたのです。
この物語の世界観が、素晴らしいのは、もともとこの「ロクサボクセン」にいた作者(アリス・マクレラン)のお母さんの、当時書き溜めていた原稿が残っていたことが大きいですが、
お母さんから子ども時代の話を聞いて育ったアリスがまるで自分が経験したみたいに描いてくれたのと、
画家バーバラ・クーニーの手腕によるものではないでしょうか。
読み始めたら、あっという間にそこにいた子どもの一人になって「ロクサボクセン」で遊んでいる。そんな気持ちになれる作品です。
5.6歳から小学校低学年くらいのお子さんたちに読んであげたいです。