一枚布のベール、メルハファに憧れて早く自分も身につけたくてしかたありません。綺麗なおかあさんのメルハファ、秘密めいて見えるセルマねえさんのメルハファ、町角でみかけた大人っぽくみえるライムいろや、マンゴーいろのメルハファ、おばあちゃんのメルハファは、おきさきさまみたいにみえるのです。メルハファがほしい女の子は、おかあさんみたいにお祈りしたいから、とても素敵なメルハファを頭にふんわり被せてから、腕の下をするりと通し、くるくるくるくる巻きつけてくれましたよ。女の子のメルハファは、サハラ砂漠の上に広がる空のように青く、見知らぬ国の人の瞳のように青いとても素敵なメルハファでした。「メルハファは、お祈りする為のものだって」と、わかった女の子でしたが、私も知りませんでした。アフリカのことが知りたくて私は、図書館から借りてきました。