戦争で失ったものとはいったいなにか。そこから新しく創ることへの一歩を踏み出す はなはなとみんみ の苦しくも力強い冒険の数々……。
戦争を知らない世代へ、ファンタジーという新たな手法で語りかけられる、一度読むと忘れられない物語。
続編に「ゆらぎの詩の物語」・「よみがえる魔法の物語」と2冊あります。
これはファンタジーです。でも昭和を連想せずにはおれない。なのに小人や魔法の出てくるファンタジーです。それを前提に。
世にたくさん出回っている、戦争の悲惨さを書いたものではありません。戦後から始まります。生き残ったのは、小人族の3人のみ。
なくなってしまったものを再生させるために、戦後必要なものを書いた作品です。
勇気や根気、血も涙も必要です。話し合って理解して、受け入れることも必要ですね。
戦争を知る世代が亡くなっていくなかで、できるだけ昔話を聞きながら、それを活かしつつ新たな扉を開いていく苦労が、じわりじわりと伝わってきます。
戦争について、教育的なことから離れて一考できます。
読みくだくことのできる小学校高学年頃の子供もそうですが、大人も是非読んでみて下さい。
ずっと記憶のタンスにしまっておいて欲しい物語です。一昔前の日本のファンタジーだって、こんなに素晴らしいものがあるのですね。