作家ヴァージニア・ウルフとその姉である画家ヴァネッサ・ベルをモチーフにしたこの作品だそうです。
ヴァージニアが主人公のおはなしなのですが、私にはどうしてもお姉さんのヴァネッサのことを思わずにはいられません。
このように情緒が不安定な妹と日常を過ごす少女期っていうものが想像つかないのです。
姉として家族として、自らの感情を上手にコントロールできない妹を愛し理解し、懸命に寄り添っているその姿が健気です。
ヴァネッサの絵の力が、ヴァージニアを時に心落ち着く世界へ引き戻せていたのでしょう。
この作品の絵も見事です。
モノクロとフルカラーを見開きごとに使い分け、読者にも姉妹の心情の明暗が伝わってきます。
ヴァネッサの人生を思う時、ヴァージニアの最期まで見届けて、余生はどのような時を送ったのかしら?と思います。