星一つ、というより、マイナス5ですね。
この作品(というより商品?)大人向けのネット上の漫画だったら、何も思いませんでした。
絵本ナビの、みどころの中に、「ママがいるのがじつはあたりまえじゃないってことに気づいてほしい。」という著者の言葉が紹介されています。だからといって母親を失う残酷な物語を、子供に見せつける必要はありません。
自分の当たり前が、当たり前じゃないのだ、両親がいることが普通とは限らない、ということが、残酷な設定も無く、説教くさくも無く、淡々と優しく描かれている絵本はあるのですよ。
ある本の作者や、本のファンをたたく権利は私には無いし、そんなことはすべきではないと普段は思います。しかし、この本は被害を生じさせるものであるにもかかわらず、シリーズまで出版され、出版・販売にかかわる関係者の節操のなさを心配しています。
この本から読み取れるメッセージは、ママが死んだらいやでしょ?ママ好きでしょ?いい子にしてね。 という脅しです。また、ママがいい〜と子供から求めてもらうことで、心の隙間を埋めたい方が感動するのでしょう。
単に好みでないとか、私個人にとっておもしろくないという絵本ではありません。子供を深く傷つける可能性があります。
大人とは違い、幼い子供にとって、絵本の世界は一つのリアルな現実です。日常生活においても、半分実際の世界、半分絵本のようなファンタジーの世界で生きているような子はたくさんいます。だからこそ、与えるものには慎重にならねばなりません。
親を死なせる、しかも死の軽々しい扱いで笑いを取ろうとする、このような本を作って世に出した人達、売る人たちは、お金さえもうかれば他人(主に子供)を傷つけても平気なのでしょうか。
絵本を扱う仕事をしていながら、現実の生活と絵本の世界が、深く入り混じったような子供の世界がわからないのでしょうか。
話題になってから時間が経っていますが、知らずに読んでショックを受けるお子さんを減らしたいと思い、投稿します。