読んでいるうちに、『金の魚』や『漁師とおかみさん』を思い起こしてしまったのですが、善良な漁師と欲深なおかみさんという対比ではなくて、このお話はおばあさん一人で完結しているのでとても面白く読み終えました。
無欲で善良なおばあさんの中にも欲望はあったのです。
欲望は弾みがついてしまうと際限なく深くなっていくのです。
『金の魚』や『漁師とおかみさん』は悲しい結末と教訓めいた構成になっていたので、同じような想像をしたのですが、このおばあさんは自分を取り戻しました。
ほんのわずかな贅沢を喜べるって素晴らしいことですね。
お魚さんの包容力にも救われました。