娘が図書館で借りてきました。
これも小学校低学年頃がおすすめかなあ。
題を見てオスの壷に?すんでいた?って?とタイトルに惹かれて自分が先に読んでしまいました。
”お酢の壷の家”とはビールをつくる材料のホップをかわかすための古い乾燥所のことだそうです。
後書きに書かれていますが、このお話は、ロシアの昔話『金の魚』、グリム童話『漁師とおかみさん』に似ていて、舞台が湖と海、主人公がおばあさんと漁師夫婦など違いはあるけれど、古くから伝わるお話だそうです。
作者の家で語り継がれてきたお話に、ねこのモルトを加えたそうです。
私はどれも読んだことがなかったので新鮮でした。
粗末な住まいに質素な暮らしをしていたおばあさん。
ある日、なけなしのお金で買った食用の魚をかわいそうに思い逃がしてやります。
その魚は湖の王で何でも願いを叶えてくれると言います。
おばあさんは、最初は暖かい夕飯だけでもとお願いし、おじぎをして、食べる前に「ありがとう」と言いに行ってからいただきます。
一つの願いが叶うと、家、家具、洋服…
感謝の心は消え、してもらうのが当たり前、もっともっと・・・と欲望は大きくなり渦を巻き、次から次へと欲しいものだらけ。
猫のモルトだけは前の暮らしに戻りたいと願います。
人間の欲望の果てしなさ、感謝の心を無くしていく傲慢さ
が描かれていて身につまされます。
でも最後はおばあさんも反省し、魚に謝り、魚もおばあさんの行いを許し、今までの希望を全て叶えると言いますが、おばあさんは、週に一回の暖かい食事だけを魚に頼みます。
ここが救いですよね。やっぱり人間にはあたたかい心がありますもんね。