この絵本の主人公は、ボタンちゃんです。
アンナちゃんがお出かけの時だけに着るブラウスの一番上に留められている、丸い顔のボタンです。
ボタンちゃんの一番の友だちは、ボタンホールちゃんです。
恥ずかしがり屋の彼女ですが、ボタンちゃんをしっかりと留めています。
そんなある日、何かのひょうしに糸が切れて、ボタンちゃんがブラウスからとれてしまいました。
ころころと転がってゆくボタンちゃん。
ボタンホールちゃんは泣きそうな顔をしていたけれど、ボタンちゃんは楽しんでいます。
まず最初に行ったのは、おもちゃ箱の裏側です。そこには泣いているガラガラがいました。
ガラガラは、赤ちゃんだったアンナちゃんを笑わせていたおもちゃですが忘れられてしまい、それが悲しいと泣いているのです。
ボタンちゃんはアンナちゃんが大きくなったことを伝えて、なぐさめます。
それからもボタンちゃんは、アンナちゃんに忘れられて泣いているおもちゃたちをなぐさめてゆきます。
ボタンちゃんはアンナちゃんが大きくなってから出会ったから、子どもは成長してゆくということを、よく分かっているのです。
そして、自分もやがて忘れられてしまうことも、分かっているのでしょう。
しばらくののち、ボタンちゃんはボタンホールちゃんとともに、おもちゃたちと再会します。
そのとき、泣いていたおもちゃたちは笑っているでしょうか?
笑っていると良いですね。
小学校低学年くらいのお子さんにお勧めです。