とにかく言葉に関することが好きで、
外国語大学に入った私。
「エスキモーは白を表す言葉が何十種類もあるんだって」
というような話を聞くと、
その言語の裏に綿々と続く、人々の暮らしや文化の息遣いを感じ、
言語の奥深さにうっとりしてしまう私にとって、
この本を初めてみたときは目を瞠りました。
まさしくこんな本がほしかった!
「ことわざ」ほど、各言語の背景や文化がよく分かって面白いなぁと思えるものは、ないのではないでしょうか?
たとえばチベット語の、「青の問いに緑で答える」なんかは、
青や緑の色あふれるチベット仏教寺院やその周りの景色を
頭の中で連想しましたし、
スウェーデン語の「エビサンドに乗って」なんかは、
エビサンドが人々の生活にとても密着していることを解説を読んで知り、一人喜びに浸ったものでした。
極めつけは、「あなたは私のオレンジの片割れ」。
情熱的なスペイン語らしい素敵なことわざ。
中国語専攻だった私にとって、「馬馬虎虎」は
中国語と出会って初めてその言い回しにびっくりした表現でもあります。
そのフレーズがこの本で紹介されていることにも、
何とも言えないシンパシーを感じました。
一人静かに深く本に浸っている私を
不思議そうに眺めていた我が家の子供たち。
でも、「言葉って、言語って、面白いものだな」というこの気持ちを
勉強というカテゴリーではなく、
心で見て、少しでも感じてほしい。
次はこどもたちと一緒に読んでみようと思います。