1人称童話シリーズ、桃太郎に続いて今回はシンデレラのお話です。
シンデレラ目線で語られているので、一般的な童話と違って、シンデレラ自身の気持ちがとてもよく分かります。
だからこそ、最初の場面はシンデレラの辛い気持ちが強く伝わってきて、読んでいるこちらも心が痛みました。
さらに、シンデレラの姿が描かれていないので、まさに読んでいる一人一人が主人公になった気持ちにさせられます。
ちょっと、ドレスで美しく着飾ったシンデレラも見てみたかったですが。
最後のガラスの靴を置いてきた場面では、こんな風にシンデレラが思っていたのかと驚きました。
今までは、単なる事故で脱げてしまった、とにかく急いで帰らなきゃ、くらいにしか考えたことがなかったので・・
あとがきにもあるように、シンデレラの気持ちに「これが正解」というものはないのかもしれません。
一人一人が色んな発想を広げながら、自由に物語を読んでみるのも楽しいかも、と思いました。