旅行から帰ってきたおじいちゃんと一緒に朝ご飯。だが既にドララちゃんそっくりの女の子がいた。偽物に追い出された本物のドララちゃんは友達に助けを求める。偽物を暴くその方法は、お料理で。
小さなおばけシリーズ37作目。
偽物と本物の知恵比べ、対決。最後は思いもよらない展開で、ちょっとしたミステリーのように楽しめた。小さなおばけシリーズは、1冊1冊独自の話が楽しめ、どの巻から読んでも面白い。いろんなタイプの物語があり、今回は謎解きの要素も入って読者も「どうやったら本物かどうかわかるかな?」と考えながら参加できる。
偽物の仕込みは気合が入っていて、いろんなことを本物以上に知っている。最初の頃は、言葉遣いが丁寧で違和感があったが、だんだんとモノマネが板についてきて、本物のような迫力と尊大な口のきき方、雰囲気になってくるのが面白い。最後のどんでん返しは、是非、本書を読んで体験して欲しい。それにしても、偽物の生活が懸かっているのか、切実な様子が思いやられた。いい暮らしをしていると妬まれたり、騙されたりして財産などを取られる危険性があるのでご用心。
またむやみに他人の生活をうらやましがるのも、考え物だとしみじみ思った。真面目に働きなよ、偽物。