冬場に食べ物を探し回る母狐のお話。
1982年刊行。2012年時点で、代34刷発行。
個人的に思い入れの深い一冊。
小学校2年生の時、「学校の図書室のつかいかた」の授業があった。一人一冊、本を読んで感想を書く(発表する)という内容だった。私はこの本を選んで読んだが、時間内に読み切れなかったことを今でも覚えている。
中年になってからふと思い立ち、読んでみた。
ロングセラー絵本になっていて、ビックリした。
お話の内容は、飢えた母狐が、子ぎつねに食べ物を与えるために冬の野山を探し回り、人里にまで降りてくる。
しかしとうとう食べ物が見つからず、途方に暮れている時に、「のせぎょう」という行事でお稲荷様に捧げられたお供え物を得ることができ、親子の狐は助かる、という内容。
そんなハードな内容だったとは思わなかった。
当時はどんな気持ちで読んでいたのだろうか。
大人になってから読むと、自然の厳しさや、人々の温かさ、里山での生活についてなど、いろいろと思うところがある。
小学生の時分ではわからなかっただろうなあ。
大胆な絵がユーモラスではあるが、なかなかしんどい内容で、印象に残った。
野生動物も人間も、幸せに共存して欲しい。