改めて読み直すと、味わい深いファンタジーだとしみじみ思いました。絵もすてきで、想像力を掻き立てられます。
ゆたかな風の音や、子どもたちの会話が方言で小気味よく交わされている点も、いいですね。風のようにやってきて、風のように去っていく又三郎の凛としたキャラクターが立っていて、ほかの子どもたちとのやりとりも楽しいです。映画スタンドバイミーの雰囲気を感じさせる、青春小説、ぜひ多くの人に読んでほしいです。
きっと小説の中の子どもたちと同様に、読者の心の中で、謎多き又三郎が生き続けるのではないでしょうか。