この絵本は、「認知症」のことを描いています。
自分の大切な人が、自分のことをすっかり忘れてしまうということは、どれだけ大きな悲しみでしょう。その「大切な人」は、父や母であり、祖父や祖母であり、あるいは夫や妻なのです。
お互いに共有していた大切な思い出。その人がその人である存在意義のようなものが失われていく悲しみはあまりにも大きい。
――しかし、救いはあります。ほら。その人の思い出は、子や孫へ、配偶者へと語り継がれていくのです。失われることなく、誰かの心の中で輝き続けるのです。
この本を読んで、救われた気持ちになる方は多いと思います。
次々に飛んでいく風船の絵は、子供たちにも「認知症」を分かりやすく教えてくれるでしょう。