実際には、子供が一人で世界の果てに住むなんてありえない設定なのですが、それがこの作者:アンダーソンさんが伝えたいことを象徴しているのでしょうね。
私はこの話を読んでいて、いわゆるテーマパークと呼ばれ、同じように夢の世界をキャッチコピーにしている施設のことを思い出してしまいました。私がそこに行くと感じる違和感みたいなもの、刹那的な虚構の世界を夢と呼べる人たちに一種の蔑視な感情、それに近いものがこの本には書かれていました。
どっちがいいかなんて誰も分かりません。本当にその人の価値観によるのだと思います。そして、私自身ですら、この話に出てくる少年のように、たった一人で世界の果てに住み、そこに喜びを感じるなんて、きっとできないと思います。
でも、造られたエンターテイメントだけではなく、自然と湧き上がってくる楽しさみたいなものも感じられるそんな人間でありたいなと思いました。