季節の変化とともに、島のようすが変化していく。絵とことばが相互作用して、まるでその場にいて感じているようでした。
だれもいない島は、ただそこにたたずんでいるだけの「静」のようですが、夏に人や動物がやってくることで、「静のなかの動」を感じます。
島は海に浮かんでいるのではなくて、大地とつながっていることを、
島にいるさまざまな命からも感じ取れました。最初は、さみしげな孤島のイメージを放っているように思いましたが、そうではなく、生物と大地といっしょに生きている、わたしたちの仲間のような存在なのだと、読後にしみじみ感じました。
心が落ち着き、浄化されていく、そんな一冊です。