ただ猫が好きだからと手にとってはど肝を抜かれます。作者は伝奇小説の大家と後で知りました(この方の作品を手にしたことが無いので知りませんでした、すみません)
人間が代わりにと猫を戦場へ送り込む。全身にキズを負い生命からがら帰ってきた猫はほどなく再び戦場へと。人間のエゴがどこまでも猫を追い詰めていく。
戦争はやめようよなどという甘い物語ではありません。
描かれている猫は自分の宿命を受け入れたかのような、表情も決して可愛いとは言えません。だからでしょうか、事の深刻さと人間の冷たさが嫌でも伝わってきました。大人向けの作品です。