孤独な農夫が畑にかかしをたてました。
かかしはじいさんの話し相手になり、やがては大切な友人になります。
そこへ、一人の若者があらわれて……。
孤独を好んでいる風にみえたじいさん。
その隠された寂しさや、心の暖かさが、
かかしや若者とのやりとりで見えてきます。
挿絵のおじいさんの表情の変化!みてください。
読んだ後、映画を見たような気分です。
ピーターシスの絵も手伝って、頭の中に広い畑の風景が広がって。
おじいさんのいきいきとしたハーモニカの音色まで聞こえてくるみたい。
心に届くのは、小学生なら高学年くらいからでしょうか。
中学生や高校生にもぜひ手に取ってもらいたいです。
静かに心にしみる味わい深い絵本です。