絵本、映画、小説…クリスマスを描いた作品は無数にあり、どれも素敵なのだけれど、オールズバーグさんのこの一冊は、特に素晴らしい。
クリスマス・イヴの夜、サンタの鈴の音を待つ主人公の前に現れたのは、そりではなくて、蒸気機関車。パジャマ姿の子ども達を乗せた機関車は、一路、北極を目指します。クリスマス・イヴの冒険です。そして、終点の北極点で待っていたのは…?
村上春樹さんの、はぎれのよい日本語訳が心地よく、できれば、オールズバーグさんの絵を見ながら、誰かに読み聞かせてもらいたくなります。
込められたメッセージは、「サンタさんはいるのか?」という永遠の問いに対する、1つの答えかもしれず、そうだとしたら、とても心地よい答えだと思います。
大人にも、子どもにも、ずっと伝えていきたい一冊です。