絵本という概念でこの絵本を手にとって読もうとすると、ちょっとめげてしまうかもしれません。文章がとっても、長いんです!
幻想的なお話が好きな人には、好まれると思います。そして、児童文学のエイキンの作品が好きな人には、エイキンの描く不思議な世界が、画家の手によって、自分の想像を超えた、或いは自分の想像とはまた違う形で、絵によって表されたことを楽しめる絵本だと思います。
それにしても、月の表面の黒い模様は世界中の人々の想像をかきたてるのですね。それだけ、人々は月を見上げているということなのでしょう。とりたてて、気にしていなかったけれど、この絵本を読んで、月の存在の大きさを感じました。
おじいさんのバイオリン弾きとしての才能を受け継いだゼッピー。「おれだったら、王さまたちがもう戦争はしないというまで、バイオリンを弾き続けるだろうな」という意味の言葉が印象的でした。