かきごりやをしながら旅をするカメレオンの話です。いや、もしかしたら、旅をしながらかきごおりやをしているカメレオンの話なのかな? とにかく絵のタッチや配色が私好みで、特に前半のかきごおりを買いに来たそれぞれのお客さんにカメレオンがぴったりなシロップを選ぶところがとても素敵で気に入りました。後半は、そんな素敵なシロップ選びができるカメレオンには深い悩みがあって、それもかなり深い深い悩みで、個人的には前半と後半で二つのストーリーにしてくれてもいいかもと思ってしまったくらいです。レオ・レオニの『じぶんだけのいろ』でもそうだったけれど、カメレオンが主人公だとアイデンティティの問題は切り離せないってことなのかなぁ。後半は流れがガラっと変わるので、ちょっと覚悟して読んだほうがいいかもしれません。あ、でも結末は決して暗く終わりません。光は差します。ご安心を。