主人公のティラノサウルスが夜に散歩をしていると、泣いている新幹線と出くわしました。
声をかけると、新幹線は言います。
「ぼくのような鼻の短い新幹線は、もう古くて走れないのです」
すると、お月様が割り込んできて言いました。
「私がお前の願いを叶えてやろう」
とたんに、ティラノサウルスは気を失ってしまいました。
しばらくして目を開けたら……。
ティラノサウルスは、首から下が新幹線になってしまっていたのです!!
その後、ティラノサウルスの新幹線は人気者になり、キャーキャー騒がれたりねたまれたり、はたまた真似をされたり。
周りの反応が人間世界と全く同じで、笑いがこみ上げてきます。
そんな中、自分の意志とは無関係に変身させられたティラノサウルスは、
「おれ、ティラノサウルス」
と自分を確認しては、元の姿に戻りたがっているのです。
明るくて楽しくて少し皮肉も入っていて、おもしろい絵本だと思います。