おはなしSDGs、素敵なシリーズが刊行されました。
おはなしを通じて、SDGs(国連が決めた持続可能な開発目標)を感じてもらおうとする試みです。
しかも豪華な執筆陣が嬉しいです。
「1.貧困をなくそう」という重々しいテーマに取り組んだのは、
『むこう岸』で貧困と格差に向き合った安田夏菜さんです。
でも、軽快な物語さばきは健在、意外にもすっと読了できると思います。
表紙絵からインパクトがあります。
斜めアングルの少年が、何とも言えない視線を向けています。
表題も意味深な余韻を漂わせ、傾いています。
小6の陸の目を通して、彼の生活状況を見つめていきます。
差し込まれるのは、飢餓状況の世界の子どもたちの様子と、戦時下の状況の情報です。
確かに、貧困のイメージはそういったものですが、陸の生活状況は?
そう、実は相対的貧困についての視点があるのですね。
この視点はとても大事だと思います。
歯医者さんのエピソードなどを通じて、さりげなく支援情報への希望を提示します。
そう、まだまだ足りないけれど、支援のための制度は作られつつあり、
ちゃんと支援につながてくれる大人(歯医者さんの口癖が素敵です)も、
友だちも存在するのです!
まずはしっかりと現状を知ることが大事だけに、ぜひ、感じてほしいです。