お話をそっちのけにしては申し訳ないのですが、エリック・バトゥーの絵に魅せられてしまいました。
登場人物を小さく小さく描くことで、絵が絵本のサイズを飛び出して、それぞれが展示されている大きな絵画のようです。
左ページに物語がぎっちりと書かれているのに、右ページに置かれたバトゥーの絵の方が大きく見えました。
親と娘が結婚しようかというおぞましさを逃れた王女の物語です。それほどに死んだ王妃を愛していたのだという倒錯的な美談でもあります。
それを逃れるために着込んだろばの皮ではあったのですが、ろばは殺されてしまいました。
金貨を生み出すろばのおかげで富を得ていた王国は、財源を失ったようにも思えるのですが、衰退しなかったのでしょうか。