小さな赤い手袋の右と左は、いつも一緒です。
ちびちゃんの手をふんわり包みながら、ちびちゃんが雪の玉を作ったり雪だるまを作ったりするのを手伝うのです。
そんなある日、ちびちゃんが右の手袋をなくしてしまい、右と左は離れ離れになってしまいました。
左の手袋にはすぐに代わりの右の手袋ができたけれど、今まで一緒だった右の手袋は、どうなったのでしょう?
ちびちゃんがなくした右の手袋は、色々な動物に拾われながら、次第にぼろぼろになっていきます。
でも、悲しいわけでも寂しいわけでもありません。
色々な動物に求められて喜ばれて、いつも幸せなのです。
種類の違う幸せの形を、見せてもらいました。
はたから見たらかわいそうに見える出来事も、当事者にとっては幸せだったりするのですね。
幸せの形を型にはめずに、出来事を柔軟に見てみようと思いました。