絵本で手袋、というと動物たちがぎゅうぎゅうに
入っていくあの「てぶくろ」が有名ですが、
このあかいてぶくろは動物たちに翻弄されながらも
みんなをそれぞれの形で温めてくれます。
淡い色合いの挿絵にくすんだ赤がひときわ映えて
編み目まで丁寧で、包み込むような温かさにあふれています。
どのシーンも一枚絵として飾っておきたくなるくらい素敵です。
子どものとき毛糸の手袋をして、雪玉を作った時に
氷の粒が毛糸の隙間に挟まってキラキラしていたこと。
濡れてガサガサだった手袋がストーブで乾かすと
毛糸一つ一つの隙間がふわあと緩まっていく感じ。
普段はすっかり忘れている冬の記憶が
なだれ込んできて、暖かくなる、そんなお話でした。