入学式のシーズンです。
なかでも、小学校の、つまりは新小学一年生の入学式はうれしいものです。
「名を呼べば視線まつすぐ入学児」は鷹羽狩行の俳句ですが、
初々しい入学児のさまをよくとらえています。
真新しい安全帽にランドセル、まさにピッカピカの一年生です。
背負ったランドセルはまだ大きくて、六年間使ううちに背に小さくなっていくのも微笑ましい。
モリナガ・ヨウさんの『らんらんランドセル』は、
そんな大事なランドセルがどのように作られていくか、
やさしい色合いと筆のタッチで描かれた学習絵本です。
ランドセルがおよそ200個の部品から出来ているなんて、
この絵本で初めて知りました。
それぞれの部品には名前がついていて、
これがわかると少しは扱いも丁寧になるかもしれません。
ランドセルは単に教科書をいれて持ち歩く道具だけでなく、
色々な思い出をつめることになります。
私のランドセルは母方の父親が1時間ほどかけて自転車で持ってきてくれたそうです。
その途中、疲れたからか川にはまったと聞いたことがありますが、
実際どうだったのでしょう。
少なくともランドセルには傷はついてなかったように思います。
6年間あなたの背中であなたのことを見守り続けるランドセル。
いつまでも、「らんらん」と弾む気持ちであり続けますように。