「蒲公英」、この漢字はなかなか読み方が難しいですが、「たんぽぽ」と読みます。
もっと難しいのが「絮」。これで「わた」と読みます。
たんぽぽの花が咲き終わったあとの綿毛のこと。「絮」では難しいので、普通は「綿毛」とかいいます。
「そらまめくん」シリーズや「やさいのがっこう」シリーズで人気の絵本作家なかやみわさんが描いたこの絵本の主人公は、このたんぽぽの綿毛です。
付いたかわいい名前が「たねこちゃん」。
たねこちゃんには99本のお兄さんやお姉さんがいます。
お兄さんたちは一番小さなたねこちゃんに、上手な飛び方と注意しないといけないことを教えて、飛んでいってしまいました。
残されたたねこちゃんは、なかなか飛び立つことができません。
ついには、スズメに連れ去られてしまいます。
と、あっという間に強い風に飛ばされて地上に落ちていきます。
そこに、雨が降り出して。
たねこちゃんの旅立ちは、ハラハラドキドキの冒険旅行です。
着いたことをは、あまり陽の差さない、こけたちの世界。
たくさんの野菜を描いてきたなかやさんは、とうとう苔(こけ)までキャラクターにしていまいました。
出てくるのが、ほそうりごけ、ぜにごけ、すぎごけ、ぎんごけといった苔なかま。
絵本を持って、苔のなかまたちを探してみるのも面白いかも。
たねこちゃんは、苔のなかまたちに励まされて、小さな自分の場所を見つけます。
たんぽぽの綿毛がどうなるのか、苔って何? と、新しい発見がある絵本です。