白ねこ三匹と黒ねこ三匹のきょうだいが、お次は何をやらかすか?ページをめくるのが楽しみになります。
おとなしくてお行儀のよい白ねこ三匹。いたずらでドジばっかりの黒ねこ三匹。
切り絵をよくみると、実は白ねこと黒ねこは同じ子猫と気づくはず。
白か黒かは、おとなが見方を変えているだけ。ほんとうは、同じなんですね。
くろねこかあさん やさしいかあさん
しろねこさんびき すくすくそだつ
くろねこさんびき すくすくそだつ
どっちのねこもおんなじ。おとなはおおらかに見ていればいいんだと、この本が教えてくれました。
この本とは、何年か前に、福音館の方の読み聞かせ講演会で出会いました。
幼児や低学年の小さな子どもたちも、熱心に耳を傾けていました。
きっと、それぞれが白ねこだったり、黒ねこだったり自分に思いあたるところがあったのでしょうね。
著者の東君平さんの童話は、どの作品にもあたたかでやさしい眼差しが感じられます。
その東君平さんも六人きょうだいだったと聞いています。
すくすく育つ子どもの気持ち、おおらかで優しいお母さんの姿が描かれたこの作品は、くんぺい童話の中で私がいちばん好きな作品です。