実は人と近い場所で生活していながらその姿を私たちはほとんど見ることはできないホンドギツネ。その姿を愛情ある目線で伝えてくれるのがこの絵本です。
人間の残したサッカーボールなどで遊ぶ子ギツネの姿や、じゃれあう親子の姿は、キツネの世界が私たちの世界と同じく温かいものであることを知らせてくれます。
絵空事ではなく、実際に生きている彼らの姿を写真に残し、そしてその命の物語をまっすぐに伝えてくれるこの絵本です。ひょっとしたら、いつもの河川敷で、キツネに会えるかもしれない。そんな身近な親しみを感じさせてくれます。必死に生きているキツネたちの中にある、ユーモアと切なさ。そんなすぐそばの豊かな自然を知ってもらうためにも、手に取っていただきたい一冊です。