『うるさく、しずかに、ひそひそと』『目で見て かんじて』の作者による作品。
ウクライナのリヴィウを拠点に活動、とのこと。
まさに今現在の戦争の様子を独特の感性で紡ぎます。
聴覚や視覚がテーマの作品を読んでいたせいか、それらの感覚がよみがえってきます。
ロンドという町に住む、ダーンカ、ファビヤン、ジールカが目撃した、戦争。
楽しく、平和に暮らしていた生活が一変する様子が、「やってきた」という表現で視覚的に感じさせてくれます。
ダーンカ、ファビヤン、ジールカも、不思議な造形ですが、
戦争も不気味な造形で紡がれます。
戦争には心も心臓もない、という文章が重いです。
3人が必死に対抗した方法が、希望でしょうか。
いろいろと問題提起させてくれる作品だと思います。