麦畑で、キツネやシカ、ネズミやカラスから畑をまもるために立てられたカカシでした。
でも、立てた人間は何をしてくれたでしょう。
めぐる季節の中で、ただただ立ち続けるカカシは寂しかったのですね。
だから落ちてきたカラスのひなを抱き上げてのです。
カラスのひなとカカシの心のふれあいが、みごとに描かれています。
いつか動物たちと友だちとなってしまったカカシです。
もう本来の役目は果たせません。
ふと考えました。
カカシにも心があるのです。
役目だけを押しつけて、放置されていたら、心も変わっていくのです。
そんなことって、身の回りにありませんか。