台風の洪水で、上流から流されてきてしまったかっぱの子どもを見つけた小学3年生の太郎と、かっぱの子「じっぽ」との交流を描いたお話しです。
いかにも小学校中学年くらいの目線で、かっぱという不思議な生き物を飼おうと努力している姿が、自然でほほえましかったです。
うっかり級友に見せびらかそうとして、「じっぽ」を大学の研究室に半強制的に預けられてしまった時などは、自転車でよく知りもしない道のりをひたすら走るシーンは、子どもらしく、途中でおなかがすいたとか、お尻が痛くなったとか、道がわからなくて不安になっている気持ちとかが素直に出ていていいなぁと、思いました。
かっぱが登場するファンタジーですが、なんというか、常にリアルっぽい世界の中でのファンタジー(かっぱ)なので、もしかしたら、自分たちの身近にも起こるんじゃないかという気持ちにさせてくれました。
とても読みやすい文章を書かれる方なので、夏休みの読書感想文などにお薦めな作品の1冊だと思います。