2008年1月の新刊本なのですが、あとがきによると、初出は1958年の「母の友」だそうです。
ライオンのルルがあめだまを食べたら「ニイ」というこねこのような声になってしまいました。大きな体で姿はライオンのままなのに、声だけはこねこのよう。声も含めてすべて自分。自分の一部分が変わってしまって、ルルは元気をなくしてしまいます。
その時声をかけてくれたのが、うさぎでした。
「おじさん、かなしいんだね」と。
この声かけ、的をえていて素晴らしいなと思いました。
自分でさえ認められない自分の変化。それをありのままに見てくれる相手がいたらこんな心強いことはありませんよね。
あめだまを人生に起きる不運な出来事と捉えてみてもいいかもしれません。そうすると、誰にでもこういうことは起こり得るのかも。
生きていくことは変化していくことなのかもしれないと思いました。