湯本香樹実 さんと言えば、3冊の本が思い浮かびます。
彼女の代表作、おじいさんと少年たちの夏の庭のほかに、
この ポプラの秋 と春のオルガンです。
数年ごとに、何度か繰り返して読んできました。
そのたびに、新しい発見があるような気がします。
ポプラの秋は、主に、6歳の女の子、千秋が、日々感じることが
丁寧に描かれています。彼女のバランスを失った不安感が日々大きくなり、病気になった時、大家のおばあさんと千秋はぐんと近づきます。
それまで、千秋にとってはこわい存在でしかなかったおばあさんが
生き生きと彼女の生活にはいりこんできます。
いつのまにか一つの家族のようになってゆくちいさなアパートの住人たちの様子がほのぼのとあたたかい感じがします。