素敵な写真絵本でした。
タイプは全く違うジャンルなのに、読んでいて思い出した絵本があります。
浜田廣介の「泣いた赤おに」です。
主人公の少年クリス(ヴァイオリンに魅せられた小さな港町の少年)とクリスと仲のいい年下のダニーは、お小遣いを長年ためて念願のヴァイオリンを手にします。
その後、そのヴァイオリンで知り合った1人のおじいさんとも仲良くなり、3人で素敵な時間を過ごしていくのですが、
こういった物語には得てして終わりがくるもので、
どういった理由かを知りませんが、おじいさんはその町を旅立っていくんです。
折しも、クリスの大事なヴァイオリンが壊れてしまった時で、
その代わりにおじいさんは自分の持っていた古いヴァイオリンをクリスにあげちゃうんですよ。
図書館で探してきたこの絵本には何の解説ものっていなかったので、
作者がどういう意図で、この物語を描き、登場人物のキャストを選んだのかは全くわかりませんが、
ここに登場する「おじいさん」!
本当に味があって、いいんですよ〜。
特にラストの方の笑顔が!小さな丸めがねアイテムもバッチリで、
ジ〜ンとしてしまいました。
そして、このシーンを見ていて、
ふっと、廣助の「泣いた赤おに」を思い出したんです。
子どもの時、初めて「泣いた赤おに」を読んだ時も、同じような気持ちになった(ような)気がしました。
少し長めで、短編映画のような写真絵本なので、好き嫌いは出ると思うし、あまり小さいなお子さん向けではないのですが、小学校高学年や中高生のお子さんになど、お薦めです。
特に、音楽に興味のあるお子さん、読んでみてはいかがですか?