今までに読んだ蒸気機関車の絵本と違って、事実に基づいた重さを感じました。
ちからあし(9633)は、力強いけれどあまりスタイルを気にするような蒸気機関車ではなかったようです。
だから客車ではなく、貨物列車を牽引していました。
そのちからあしが、戦争の中でいろんな事を経験します。
戦火を浴び犠牲になった仲間たちや、戦争のための働き…。
戦争が終わると世の移り変わりの中で、だんだんと居場所を失ってもいきます。
それでも人びとから愛される存在として姿を今も残しているのです。!
絵がとても魅力的です。
戦争、力強さ、悲哀、夢…、様々なものを大胆かつ繊細に、そして象徴的に描いています。
版木の香りの残る版画絵本です。
子ども向けではあるけれど、大人の心に印象の残る作品でした。